主な測量業務
弊社では、基準点・水準・河川・深浅・用地などの測量業務の他に、工事測量や地図製図・図面調整も行っています。
業務に関するお問い合わせは、こちらから。
糸魚川市は海と山に囲まれた土地で、急傾斜地も多く存在し、切り立った崖のような地形をよく目にします。糸魚川静岡構造線に沿って流れる一級河川姫川も、狭い谷を一気に下る急流です。
安全に配慮し効率的な現場作業を行うためには、現地踏査の際に周辺地域の特質を考慮した計画・準備が必要になります。また豪雪地域でもあり、天候に泣かされることもしばしば・・・”多様性”がある地域です。
そのため、現場に合わせ創意工夫で機材を自作するなど、作業の安定性を高め効率化を図ることも大切な業務の1つと考えています。
測量の分野でもデジタル化は進んでおり、昔作った紙の図面をパソコンで使えるように・・・ということも少なくはありません。その場合は、ご要望に合わせ、図化ソフトを使って変換を行うCAD化や図化編集をしています。
主な測量業務の中から、GNSSを使った基準点測量、深浅測量、用地測量と、図面調整についてご紹介します。
基準点測量
日本独自の衛星測位システム「みちびき(準天頂衛星システム)」の運用開始により、作業規程の準則および最新技術・機材の新たな運用を定めた各マニュアルなどが制定され、幅広くGNSS機材を用いる事が可能となりました。
GNSS機から得たデータで世界測地系座標に対応させることで、地殻変動や災害などが起きた後の復旧作業や、長期にわたる継続的な管理などの様々な分野で活用されています。
その大事な一歩目となる作業が基準点測量。
[基準となる点]を作る作業です。
新たな基準となるポイントを設置、または既に設置してあるポイントにGNSS機材をセットし、衛星からの情報を受信することで位置を測定しています。
携帯電話等の通信を使用する方法が多く活用されていますが、山間地では電波が受信できない事もあります。
測量の業務では、「未開の地をこれから切り開くため一番最初に現場作業を行う」事が多いため、作業地に適した観測方法を見極め作業計画を立てることは重要です。
深浅測量
まだGPS(GNSS)機材が無かった頃
陸上にトランシット・光波距離計などをセットし、位置や観測距離を船上の作業員に無線で誘導し観測していました。
GPS機材の普及後は、陸上に固定局を設置し、船上に設置した移動局に位置情報を無線で送信する事により、ほぼリアルタイムで位置を測定し船を誘導するシステムで観測が可能となりました。この機材を組合せることで海上で座標を得る、ピンポイントの観測そして観測後に広大な海上のある1点でも位置を示すことができ、観測精度が格段に向上しました。
誘導の方法はカーナビのシステムと同じようなイメージです。
そして現在、陸上の固定局は不要となり、当社の機材もGPS機からGNSS機に。
基準点測量と同様、GNSS機ではリアルタイムで高精度な観測が可能、そして衛星からの情報は受信時の安定性が向上したことで、危険を伴う海上作業の時間短縮にもなりました。
実際の作業方法は
観測前の準備としてあらかじめ測深したい基線(測線)を決め、その起終点座標等をシステムに登録し、そのデータが入ったパソコンを船上で操作します。
船の操縦者は、画面に表示された観測する基線上を船が進むように操縦します。経験と技術が必要です。
用地測量
測量業務は地形を図に表すための作業が多く、その相手は自然の山々や川、道路などの構造物が中心となるものがほとんどです。
用地測量は「人」が重要な業務の一つです。
1つの番号が附された土地が、どこにどんな形状で存在するのか、その土地の所有者や管理者の人々から教えていただく事で作業を遂行することができます。
法務局備え付けの地図や過去の用地測量資料などから得た情報との確認も必要です。
現地に存在する境界杭などを確認し観測、用地買収に必要な範囲を現地に示す 等、器械で観測作業ができる、そして作成した図面を確認していただくまで「人」との関わりは続きます。大切な財産である土地は、人々のご協力なしでは測量することもできません。
平成28年12月の糸魚川駅北大火では、多くの建物に被害がありました。まちの風景は変わってしまいましたが、土地の境界を示す境界杭などはそのまま残ったものも多くあり、復興作業の手助けとなりました。
図面調整
測量業務の「地図製図」
最近は手で図面を書くことも少なくなり、パソコンの中で製図する「CAD製図」に主役の座が変わりました。
CAD製図は、現場で観測したデータを基に図面データを作成する方法です。
また最近では、紙の原図をCADデータ化することが増えました。
紙材では劣化があり、破れる・日に焼ける・情報の更新がしにくい・コピーがとりにくい。そしてなにより保管場所が確保できない など、原図を管理している担当者様は保管も取扱も大変です。
データ化をする事で、作業の都度原図を出し入れする事が無くなり劣化や破損を最小限にとどめることができます。図面データで必要なところだけを印刷することも可能です。また、情報の更新も容易となるため、常に最新の状態を保つことも経年変化を調べることも可能になります。
データ化する必要はないがPDFで残しておきたい など、原図の状態、データ化後の用途目的などに応じて様々な手法があります。お気軽にお問い合わせください。